ヨコハマ・ミライカイギ

横浜市住宅供給公社。
ヨコハマの住まいと暮らしの未来を担う組織であるということ。
今回、その未来を作っていく職員6名により
「ヨコハマの課題」と「ヨコハマの未来」をテーマに座談会を開催しました。
その名も「ヨコハマ・ミライカイギ」

 

賃貸住宅事業課
岩﨑さん

[横浜出身・横浜育ち・横浜在住]
1993年入社 係長(事務系)

 

賃貸住宅事業課
竹中さん

[四国地方出身、横浜在住]
2014年入社 技師(技術系)

 

管理事業課
松野さん

[九州地方出身、横浜在住]
2011年入社 係長(事務系)

 

建設課
能澤さん

[市外出身、横浜在住]
2009年入社 技師(技術系)

 

街づくり事業課
石井さん

[市外出身、横浜在住]
2009年入社 技師(技術系)

 

司会:経営企画課
石川さん

[横浜出身・横浜育ち・横浜在住]
2017年入社、主事(事務系)

2019年3月現在

 
 

ヨコハマの課題について

石川

今回、入社2年目の私から、ヨコハマの「現在」と「未来」について、先輩方と意見交換を行いたいと思います。私は横浜生まれ横浜育ちですが、入社前と入社後ではヨコハマに対する気づきに変化がありました。世の中に目を向けると、毎年発表されるSUUMO住みたい街ランキング2019で横浜は2年連続で第1位に選ばれました。利便性や交通アクセスの良さなどの理由により、良いイメージを持たれています。

横浜は横浜駅周辺やみなとみらいなどの都心部は少なく、郊外部がほとんどです。そして坂も多い。市全体では2019年をピークに人口が減少する見込みです。一方で高齢者数は増加し、高齢単身者世帯も増加します。

地域ごとにみると、公社店舗施設のある港南区や金沢区の人口減少は進んでいます。高齢化率は、栄区や旭区など南西の郊外部の方が高い傾向です。 私は経営企画課で、工事・業務の発注と契約、経理を担当しており、各部署との関わりがありますが、具体的にはわからない所があります。実務を担当してこれまでに感じたこと、ヨコハマの「現在」(課題)を教えて下さい。

石井

ヨコハマは、地域差があると団地再生の業務で感じることが多くあります。

岩崎

地域差といえば、賃貸住宅は東京に近いと家賃が高く、遠いと安い傾向もありますね。

松野

ヨコハマは、都心とのミックスがポイントで、かつ故郷(ふるさと)も感じられる環境もあります。東京とは違い、都心より郊外が多いですよね。

能澤

ヨコハマといえば、みなとみらいのイメージが強いですよね。“ハマッ子”という呼び名もありますし。多様性があるのがヨコハマだけど、良い反面、課題もあるのかなと思います。

竹中

私は市内の南部方面を担当していますが、都心は南部と比較して家賃が高く、入退去など人の動きが多いですね。また、高齢者が多いと感じます。のどかさを求めている人も多い。

松野

都心部と郊外部では、都市計画にも市の方針が表れていますよね。

 

石井

私は今、子育て中のため、子どもが少ないとは感じませんが、市が方針として示している多世代ミックスは、一部の人は負担を感じていると思うんです。多世代ミックスにすることだけが良いとも思わないです。高齢者が多い地域や子どもが多い地域など、地域ごとの特徴も活かすべきだと思います。

能澤

子どもがあふれている?(笑)
市境では東京からの子育て世帯の流入も多くて、ヨコハマは待機児童も多いですよね。保育所不足も課題で、通勤途中の最寄り駅で子どもを預ける人も多いですよね。

岩崎

その話からすると、ヒルズ南戸塚(公社賃貸住宅)にあるような郊外の空き室を活用して保育所をつくっても需要がなく入らないってこと?

松野

そんなことはないと思います。そこに保育所があることが理由で住む人もいるよね。

 

石川

需要の有無によって、地域差につながっているのですね。
街づくり課では何かありますか。

石井

街づくりは、どちらかというと横浜MIDベースのように需要に応じて新たに保育所を導入する部署ですよね。でも課題として、認可保育所は住宅と併設されていても、分譲住宅の人が優先的に利用することはできないんです。

岩崎

市の住宅に関する政策を見てみると、高齢者に向けた対策に力を入れている気がします。高齢者の人口と世帯数は増加しているので方向性は間違っていないけれど、子育てをしやすくする政策にもっと目を向けてほしいですね。

ヨコハマの課題のまとめ

  • ヨコハマは都心部と郊外部があることが魅力だが、地域差が課題
  • 保育所の不足により、子育て世帯が困っている
  • 高齢者への政策は重要だが、安心して子育てできる環境がまだ十分に整っていない

ヨコハマの未来について

石川

これから先も住み続けたい街にするには、公社としてどんなことができますか?
ヨコハマの良さってなんだと思いますか?

松野

地方出身である私からすると、ヨコハマは“ふるさと”を感じられるのがいい。今住んでいる市内西部は、田舎に近い雰囲気が気に入っています。

岩崎

生まれも育ちもずっとヨコハマだけど、実家は、雑木林に囲まれコンビニも何もない所でした。今まで住んできた場所は郊外が多く、“ふるさと”感があるようなところ。これまでを振り返ると緑がある場所は落ち着きますよね。でも利便性は欲しいです(笑)

石川

インターンシップに来る学生は、ヨコハマといえば、みなとみらいをイメージしていることが多いです。

 

石井

私は業務で緑区十日市場を訪れる機会が多いんですが、いつもなつかしく感じるし、イベントを開けば多くの人が集まります。だからこそ、ヨコハマには地域コミュニティが根付いているのではないかと思います。駅近くの川沿いには田んぼも多くて、子どもにも農業体験をさせてあげたいですね。

松野

地域コミュニティは重要だけど、それだけでなく、地域が活性化することで、公社の店舗にも活気がでることにつながることが大事だよね。

岩崎

電鉄会社が手掛けた有名な事例であるホシノタニ団地は、駅前の自社保有の社宅をリノベーションして、家庭菜園の体験などコミュニティにとても力をいれて人気と活気がでている。リノベーションすることで価値があがっているんです。民間ではハードルが高くできないことを公社には取り組んでほしいですね。公社はより地域差があるものに対し取り組むことができる会社だと思います。

 

石井

コミュニティといえば、都心より団地に住んでいる人の方が、コミュニティに対して積極的だと思います。建替え検討を進めているある団地では、住民から「建替え後は、高齢者のシェアハウスはできないか」と相談されたこともあります。 また、保育料の無償化による共働き世帯の増加や、在宅ワーカーの増加など、市内の住環境が今後大きく変化するのではないかと考えられます。ヨコハマの未来を支えていくために、公社が取り組まなければいけない住宅施策や役割も大きいと感じています。

石川

ヨコハマは、地域差もあり、多様性もある。市内の各所にみなとみらいのような場所がなくてもよくて、それぞれの価値に共感して、ヨコハマで暮らしてほしいです。
本日は、色々な話が聞けてとても勉強になりました。
これからもヨコハマに住み続けたいと思いました。

ヨコハマの未来

ヨコハマは、みなとみらいのような都心もあれば、郊外の“ふるさと”を感じられる自然豊かで良好な住環境や、活発な地域活動がある。多様性をもつ地域が活性化し、力強くなっていく。それが魅力であり、未来のヨコハマにつなげていく。

公社が取り組むこと

  • 高齢者や子育て世帯・ファミリー向けの住まいのほか、保育所付の賃貸住宅や公営住宅など、多様な居住ニーズに対応した住宅を供給するほか、地域ごとの特徴を生かしながら店舗施設を充実させて、地域の活性化に貢献していく
  • ヨコハマの魅力である地域差に合わせた駅前再開発による拠点駅の活性化、地域の特色を活かした郊外のマンション・団地の再生に取り組んでいく
  • 公社の全ての事業は、ヨコハマのまちづくりの一つであり、ヨコハマの未来をつくっていく